興味のある逸品・珍品をお選び下さい.

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オールナイトニッポン海賊放送局/ビバ栗毛(企画レコード)
まだ,深夜放送が若者のアンダーグラウンドやサブカルチャーの情報源として機 能していた頃,パーソナリティがタレントではなく放送局のアナウンサーが日替わりで眠い眼をこすりながら,あるいは本当に!居眠りしながら(パーソナリ ティが眠ってしまって延々クラシックをかけていたこともある)放送していた頃の企画レコードだ.2枚組で1800円也.1枚目は洋上に浮かぶ海賊放送局 (オランダ沖に本当にあった)という設定で,パーソナリティ(糸居五郎,斎藤安弘,あまい・くにお,高島秀武,今仁哲夫,亀渕昭信)のしゃべくりと音 楽.2枚目はビバ栗毛5000キロということで,今仁哲夫とあまい・くにおが日本全国をキャラバンで回った全記録となっている.私は小学生の頃に買っても らった携帯ラジオで,眠い眼をこすりながら聞いていた.アンコウ(斎藤安弘),てっちゃん(今仁哲夫),亀ちゃん(亀渕昭信(この人はロックボーカリスト の亀渕友香の実兄である))のユーモアのある語り口が特に好きだった.
深夜放送はその後マスメディア・システムの中に組み込まれ,スポンサーまでついて(その昔スポンサー無しでやっていた),パターン・ファッション化された「お約束」の世界と変貌し,ただのBGMメディアとなってしまった.ラジオはもはや文化でなくなった.

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バカルー・バンザイ8次元ギャラクシー(映画)
カルト・ムービー数ある中で,こいつは強烈だ.バーホーベンの「ロボコップ」やクローネンバーグの 「裸のランチ」でお馴染みのピーター・ウェラー扮する馬鹿野郎万歳(バカルー・バンザイ)は,天才物理学者にして人気ロックバンドのボーカリストとして世 界を駆けめぐっている(お母さんが日本人らしい).物質の分子間の隙間を通り抜ける彼の発明「次元振動装置」は,別次元への壁をうち破る画期的な装置で あった.これをめぐってバカルーの仲間たち(正義の秘密結社!)と宇宙人(人間に化けると何故かラスタマンに見える),8次元に閉じこめられた宇宙犯罪 者,その宇宙犯罪者にとりつかれたキチガイ博士などなどが次から次へとどたばたを繰り返す.次元振動装置の実験で始まる冒頭からラストクレジットのGメン 75ばりの行進シーンまで全編これパロディとギャグとご都合主義!
脇を固める助演陣がいい.「バック・トウー・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイド,「ガープの世界」のジョン・リスゴー(キチガイ博士を怪 演),「ザ・フライ」「ジュラシック・パーク」のジェフ・ゴールドブラム(カウボーイ姿が大爆笑),「カッコーの巣の上で」「アマデウス」のヴィンセン ト・スキャヴェリ(絶品!),「ダウン・バイ・ロウ」のエレン・バーキンなどなかなか豪華な顔ぶれ.監督はW・D・リヒター,誰か他の作品知ってたら教え て.84年作品.

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ある夢想家の手帖から1~6(評論) 沼正三
いまとなっては,沼正三が何者かは云う必要があるまい.SM家畜願望未来小説 「家畜人ヤプー」ですっかりお馴染みだ.洋の内外を問わず,絵画・文学・映画・写真等に登場するマゾヒズムの世界の評論集である.いやあ,すごいエネル ギーだ.そんなに家畜になりたいなんて.そして,あまり大きな声ではいえないが,この人ブロンドの白人女性の家畜になりたいのだそうだ.この人種的コンプ レックスとねじ曲げられた美意識がとにかくすごい(これが私たち日本人だなんて口が裂けても云えない).こんな本がどーどーと売られていることが,またす ごい.

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TRUE LOVE and Family(雑誌)
ケニヤをはじめ東アフリカに滞在中,楽しみにしていた雑誌がこれ.いわゆるゴ シップや芸能,オカルト,写真小説,人生相談,占い,ジョークなどバラエティ溢れる娯楽雑誌である.表紙は毎号きれいなお姉ちゃんの月刊誌だ.私はこの雑 誌の読者投稿欄「ディア・クレア」を読むのが楽しみだった.半ば人生相談コーナーとなっているこの投稿欄では,クレアという名の編集者が投稿にアンサーを つけていく.こいつが結構面白い.大半は,「彼に捨てられた」「レイプされた」「複数の男性を愛してしまった」などなどティーンの性の悩みが多いけど,中 に「私は呪いをかけられてしまった,どうしたらいいのだ」なんて投稿もある.クレアは結構クールな意見を言う人で,「捨てられた」なんていうと「それはあ なたの主体性の問題」,「レイプされた」「まず,妊娠していないか検査を受けて」とか,進歩的な女性?のようだ.あ,それと,ペンパル募集のコーナーも あって,インドや東南アジアからの募集もあった.う~ん,すごいぞ.グローバルな雑誌だったんだ.

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強姦の形而上学(評論) エオン・エキス
作者のエオン・エキスによると,なんでもセックスの主体は女性にあるという. いや,いわゆる生殖の意味ではなく,セックス「する」「しない」の主体性のことである.彼によると受け身なのは男性であり,そのことを著作の中でまじめに 論証していく.確かに「やらせて」と求めるのは主として男性側からだし,女性の「いいわよ」「また今度ね」「おとといきやがれ」という言葉次第,運良く ベッドに入っても「まだ出しちゃだめよ」「早いわね」「この能なし」などと云われ,この人の説には妙に納得してしまう.そこで彼の云うには,強姦というの は男性が男性としての主体性を回復するための行為であるというわけだ.著者はこの主体性を固持するために,日夜実践に励んでいるらしい.う~ん,間違って もこの本が素晴らしい著作などとは云ってはいけない.だが,しかし,面白い本だなあ.ところで,エオン・エキスとは何者ぞ? どうやら訳者の解説を読むと 著名な哲学者らしい.ロジカルな遊びとして読むと,すごく面白い.

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汚わい船(自主制作レコード) 汚わい船
自主制作LPレコードでありながら,発売直前に発売禁止になった曰く付きのレコード.広島の高校生2人組のフォークグループが作ったこのレコードを知る人はいないだろう.そのレコードが私の手元にある.
問題となった曲は同和地区にある中学校が舞台となるもので,このグループの片方の父親が教育委員会に関係していたことから,これが知れることとなり「こん なものは出しちゃいけん!」ということになった.例の曲が削除されてはじめて世に出ることになったが,この発売禁止バージョンを私は所有している.問題の 曲の内容は,普段その同和地区の不良たちに酷い目に遭わされていた彼らが,自虐的でユーモラスにその情景を描いたものとなっている.曲調もカズーやそのへ んのパーカッションをがちゃがちゃかき鳴らしながら,ふざけたわめき声や怒号をあげて面白おかしく演じられている.察するに彼らにとって対象は何でも良 かったのだ.面白おかしいコミカルソングを作りたかったのであり,勉強もスポーツも喧嘩も何もかも駄目な自分たちを演じているに過ぎず,そこには思想性な んてこれっぽっちも無いような気がする.その他の曲を聴くとほとんどが自分たちの趣味の世界やラブソングばかりであることからも,そうなのだ.この程度の ものが発売禁止になるとは未だもって謎である.私は,このレコードを友人たちと楽しみながら作り,プレスまで出来上がった時点で発売中止を余儀なくされた 彼らの方が気の毒でならない.
制作されたのが1970年代の中盤.そんなことに神経をとがらせている時代だったのだろうか.まさかこんなレコードが世に出て,多くの支持者を得るとでも思っていたのだろうか.うーむ,謎だ.
ちなみに彼らのグループ名「汚わい船」は,当時広島の屎尿処理問題で汚わいを海に捨てに行くのはまずいのではないかということが論議されていて,じゃあ「うんこはどうするのだ!?」ということで命名したのだそうだ.

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